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ASH TRAIL Trail Wide Pants 25AW

¥21,800 税込

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山に向かう気持ちを、引き出す一本。
Trail Wide Pants

はじめに

トレイルパンツに、本当に必要なものは何か。

私たちが目指すのは、日常の延長線上でいつでも履けて、気づけば山へと足を運びたくなる。そんなふうに背中を押してくれるパンツです。

街では快適でも山では動きづらい。山では頼れるけれど街では浮いてしまう。これまでのトレイルパンツには、私たちが本当に欲しいものがありませんでした。

だからこそ、登山に必要な機能を前提にしながらも、日常でも自然と手が伸びる一本をつくりたい。日常と非日常をシームレスにつなぐパンツを目指し、試作と改良を重ねてきました。実際に山へ持ち込み、岩場や急登、縦走、そして街へ。行動の中で生まれる小さな違和感に向き合い、何度も作り直すことでようやく辿り着いたのが、このTrail Wide Pantsです。

そして今回、Trail Wide Pantsはさらに進化しました。
山での経験に加え、より深くユーザーの声に耳を傾けることで、既存の機能に新たな要素をプラス。単なるアップデートではなく、山での行動をより快適にし、日常にも一層馴染む。まさしく「次の定番」と呼べる一本に仕上がりました。

形と機能について

1. 通気性を高めるワイドシルエット

一般的なトレッキングパンツは、脚にフィットする細身のシルエットが多い。しかし私たちは、あえて「ワイド」という選択をしました。

脚まわりに余白が生まれることで、熱がこもりにくく、常に風が通り抜けるような開放感があります。長時間歩き続けても、蒸れや不快感が最小限に抑えられます。そして、このゆとりが、足運びを驚くほどスムーズにします。足が絡まることなく、ダイナミックな動きにも軽やかに追従。一歩一歩が軽やかに、ストレスなく進めます。

“ワイドだけど、見た目はすっきり”。登山に必要な機能性と、街でも違和感なく着られるデザイン性を両立するために、タックとダーツでシルエットにメリハリをつけ、シャープに見えるよう工夫しました。

2. 裾にはドローコードを内蔵

裾に内蔵されたドローコードは、天候やシーンに合わせてシルエットを調整する重要な機能です。

岩場や藪漕ぎの際には、裾を絞って足元の引っ掛かりを防ぎ、安全性と動きやすさを確保します。また、風が強い日には裾を締めることで、冷気の侵入を防ぎ、体温の低下を防ぐ役割も果たします。

ドローコードを内側に配置することで、余ったコードが外に垂れて邪魔になることがありません。

3. ストレスフリーな立体構造

タック、膝ダーツ、ヒップダーツ、そしてガゼットクロッチ。

これらの要素は、単なるデザインではなく、動きやすさを追求した結果です。ウエストのタックは、腰回りにゆとりを持たせ、腹部への締め付けを軽減。膝に加えたダーツは、しゃがんだり、足を上げたりする動作を滑らかにします。

また今回新たに追加されたヒップのダーツは、ヒップラインを立体的に見せ、美しいシルエットを保ちます。同時に、ヒップ周りのフィット感を高めることで、もたつきをなくし、よりスムーズな動きをサポートします。

そして股下に追加されたガゼットクロッチ。このマチによって生地のつっぱりが解消され、岩を乗り越えたり、大股で歩いたりする際も、ストレスを感じません。

「ワイドだけど動きやすい」というコンセプトは、これらの複合的な構造によって、実現しています。

4. 多用途に使えるサイドジップポケット

このパンツの象徴的な機能が、大容量のサイドジップポケットです。

開発時にこだわったのは、スマホや鍵といった必要最低限のものを、歩きながらスムーズに取り出せること。

入り口は広く、底に向かってテーパード（先細り）になっているため、中で物が動きにくく、取り出しやすい構造です。特にこだわったのは、ポケットの位置と角度。歩きながらでもスッと手が入るよう、何度も微調整を重ねて決定しました。

スマートフォンはもちろん、行動食やヘッドランプ、コンパクトな地図など、様々なアイテムが自然と収まります。

単に物を入れるための「収納」ではなく、行動中の「快適な取り出し」を最優先した、私たちの理想が詰まったポケットです。

5. 快適なウエスト構造

ウエストには、身体への締め付けを極力抑えるため、通常のソフトゴムの42倍の通気性を持った柔らかい薄手のゴムを採用しました。バックパックのウエストベルトとの併用も想定し、長時間の着用でも不快感を感じさせない設計です。

内蔵されたベルトは、片手で簡単に締めたり緩めたりできるワンタッチ仕様。バックパックを背負ったままでも、休憩時や行動中に素早く調整が可能です。脱ぎ履きのしやすさと、行動中のストレスフリーな調整を両立しています。

6. ザックとの干渉を防ぐバックル配置

長時間の縦走で意外とストレスになるのが、腰回りの不快感。特にバックパックのウエストベルトとパンツのバックルが干渉し、擦れや痛みを引き起こすことがあります。

Trail Wide Pantsでは、ウエストベルトのバックルを意図的にほんの少しだけ左にずらして配置しました。このわずかな工夫によって、バックパックのベルトとの干渉を避け、腰回りの摩擦を最小限に抑えます。

シャツの裾が擦れて傷んだり、生地が摩耗したりするリスクも下げ、快適性を保ちながら、ギアを長持ちさせます。

7. Dカンによる拡張性

今回新たに追加されたのが、ベルトループに配置されたDカンです。

これは、鍵やカラビナ、小さなポーチなど、すぐに取り出したいギアをぶら下げるためのもの。

わざわざザックを下ろしたり、ポケットの中を探したりする必要がなくなり、利便性が格段に向上しました。軽量なコップをぶら下げたり、行動食のミニポーチを付けたりと、使い方に合わせて自由にカスタマイズできます。

素材について

厳選された100%リサイクルナイロン

Trail Wide Pantsに使用しているのは、単なる軽量ナイロンではありません。100%リサイクルナイロン素材であり、環境への配慮と、トレッキングに求められるタフさを見事に両立させています。

さらに、この生地はリップストップ構造。格子状に特殊な繊維を織り込むことで、引き裂き強度を高めています。万が一、岩や藪で生地が破れても、その裂け目が広がるのを防ぐため、致命的なダメージになりにくいのが特徴です。

マットな質感と細かな凹凸のある表面は、素肌への接触を最小限に抑えます。汗をかいても肌に張りつきにくく、ドライで快適な着心地を保ちます。

また、しっかりとしたハリを持ちながらも軽量。ワイドシルエットが風をうまく受け流すため、暑い日も、寒い日も、テント泊でも、街でも、これ一枚で過ごせる高い汎用性があります。私たちは、ただ軽いだけの生地ではなく、岩場や藪漕ぎで感じた「擦れへの強さ」を重視し、軽さと強度のベストバランスを考えてこの素材を選定しました。

何度も繰り返したフィールドテスト

このパンツの開発は、当然オフィスでの企画だけでは終わりませんでした。実際に自分たちが山へ入り、試作品を履いて歩き、試行錯誤を繰り返しました。

「この段差を越えるとき、股が少しつっぱるな」「このポケットは、歩きながらだと少し手が届きにくい」「ウエストのバックルが、ザックのベルトと当たる」
小さな違和感を一つひとつメモし、サンプルにフィードバックする。改良されたサンプルをまた山で試す。このサイクルを何度も繰り返すことで、ようやく「もうこれ以上は無い」と納得できる形にたどり着いたのです。

このパンツは、私たちが本当に欲しかった、理想のパンツ。そして、同じように感じていただける、自信を持って届けたい一本です。